東京女子医大病院(東京都新宿区)で2014年、2歳男児が手術後に死亡した事故で、小児に使用すべきでない鎮静剤「プロポフォール」を過剰に投与したとして、業務上過失致死罪に問われた医師の小谷透(66)、福田聡史(44)両被告の公判が18日、東京地裁(細谷泰暢裁判長)であり、検察側は小谷被告に禁錮1年6月、福田被告に禁錮1年を求刑した。
19日に弁護側の最終弁論が行われ、結審する。
検察側は論告で、「致死的な副作用が生じる危険があり、小児の集中治療で人工呼吸中の鎮静には『禁忌』と添付文書に明記されていた」と指摘。両被告は約70時間にわたり、成人の許容量の約2.7倍を投与したとしたとして、「注意義務違反の程度は重大だ」と非難した。
弁護側は男児の死亡は予見できず、鎮静剤の投与との因果関係はないなどと無罪を主張している。
起訴状によると、両被告は14年2月18~21日、首のリンパ管腫の手術を受けた男児にプロポフォールを投与。心電図の異常など容体が悪化したのに、すぐに投与を中止するなどの適切な対処をせず、急性循環不全で死亡させたとされる。 [時事通信社]