通風口からもSOSか 非常ボタンは電源入れれば正常に作動 サウナ施設関係者は取材に「遺族対応を優先」

サウナ室で夫婦が死亡した火事で、2人は閉じ込められたとみられています。当時、非常ボタンの電源はオフになっていましたが、その後の検証で、電源を入れれば正常に作動することがわかりました。
利用客2人が亡くなった“高級個室サウナ”。その関係者が、初めて日本テレビの取材に応じました。
施設の関係者
「弊社としては警察の方と何があったのかを調べている段階で、被害者遺族の対応を優先しております」
──施設を利用した方が2人亡くなっています。説明する責任があるのでは?
施設の関係者
「承知しております。被害者遺族の対応をしっかりしていった上で、メディアにも今後、対応していきます。遺族の対応が最優先で、今、話せることはないです」
亡くなった松田政也さんと、妻の陽子さん。サウナに閉じ込められたとみられています。高温の密室で、なんとか命を守ろうとした痕跡が、いくつも残っています。
2人は午前11時頃に入店。捜査関係者によると、2人はスマホなどは持ち込まず、広さ2.5畳ほどのサウナへ。設定温度は95℃。扉の木製のドアノブが外れ、閉じ込められたとみられます。
脱出を試みたのでしょうか。ガラスには手でたたいたような跡が残っていて、政也さんの両手には皮下出血があったそうです。
さらに、室内から焦げたタオルが見つかっていることから、サウナストーンをタオルにくるみ、ドアのガラスを割ろうとした可能性も。この時、サウナストーンに触れたタオルから出火し、火事が発生した可能性があります。
そして新たに、通風口の一部が壊れ、床に落ちていたことも判明。外に助けを求めようとしたとみられます。“95℃のサウナ”からの脱出は不可能、SOSも届かなかったとみられる2人。
どれくらいの時間、閉じ込められていたのかはわかっていませんが、通報は入店から約1時間後のことでした。
折り重なるように倒れていたという2人。妻の陽子さんを熱からかばおうとしたのでしょうか。政也さんの方がやけどが重く、肩から腰にかけて広い範囲にやけどの痕があったこともわかりました。
問題となっているのが、サウナにある非常ボタンです。2人は押したとみられますが…。
サウナのオーナー(任意の調べに対し)
「2年ほど前から電源を入れたことがない」
異常を知らせる受信盤の電源が入っておらず、当時、非常ボタンは作動しなかったことがわかっています。ただ、その後の警視庁による検証で、電源を入れると正常に作動することが確認されています。
非常ボタンの不備に、ドアノブの落下。施設の安全管理はどうなっていたのか?
記者
「施設内の設備に関して、受信盤はいつ頃から電源が入っていなかったのか? ドアノブは取り換えた? 業者に依頼をしたのか?」
施設の関係者
「今は答えられない」
警視庁は、業務上過失致死の疑いも視野に捜査しています。

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