ヒグマ駆除で発砲し猟銃所持の許可取り消し処分、最高裁が弁論へ…ハンターの敗訴見直しの可能性

北海道砂川市の要請でヒグマを猟銃で駆除した際に民家付近で発砲したとして、道公安委員会から猟銃所持の許可を取り消す処分を受けた猟友会の男性(76)が、道に処分の取り消しを求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)は22日、原告側と被告側の双方から意見を聞く弁論を来年2月27日に開くことを決めた。男性の敗訴とした2審判決が見直される可能性がある。
処分を巡っては、ハンターの責任が重すぎると猟友会関係者らが反発し、自治体の駆除要請を拒否できるとの方針が道内の猟友会で示される契機になった。市街地に出没したクマによる被害が多発する中、最高裁の判断が注目される。
昨年10月の2審・札幌高裁判決によると、道猟友会砂川支部長の男性は2018年8月、市の要請を受けてライフル銃でヒグマを駆除した。道公安委員会は19年4月、クマの後方に土手を挟んで民家があったことから、発砲した行為が銃刀法違反にあたるとして、銃の所持許可を取り消した。
21年12月の1審・札幌地裁判決は、男性が市の要請で出動したことなどを踏まえ、「所持許可の取り消しは、社会通念に照らして著しく妥当性を欠く」と処分を取り消すよう命じた。これに対し、2審判決は「弾丸が周辺の建物に到達するおそれがあった」と指摘。市の要請などの事情を考慮しても処分は妥当だとし、男性側の逆転敗訴とした。

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