【解説】高市首相“こだわりの3時間” 石油備蓄…異例の「先行放出」決断のウラ側は?

石油の備蓄について高市首相は11日夜、各国に先駆けて日本単独での放出を発表しました。日本テレビ政治部・官邸キャップの矢岡亮一郎記者が、そのオモテとウラ側を解説します。
──まずオモテの動きとして「日本単独の先行放出」は、異例の決定だったのですよね?
おっしゃる通りです。石油備蓄の放出は、国際的に連携、協調して行う「協調放出」が一般的で、日本が単独で先に放出を表明するのは異例のことです。そして今回は、高市首相の積極姿勢が際立っていました。
オモテの動きとして、高市首相は11日、福島県で東日本大震災の式典に出席した後、夜に東京に戻ってきましたが、午後7時半ごろに自ら発表しました。
高市首相はその場で「日本が率先して」と強調していましたが、ある首相周辺は、「G7・IEA(=国際エネルギー機関)より前に発表することに意味があった」と解説しています。
というのも、11日夜は午後11時からG7首脳によるオンライン会合がありました。また同じ時間帯に、32か国が加盟する国際機関のIEAが「協調放出」を全会一致で決めています。
この3時間あまり前に、日本が単独で先駆けて備蓄放出を発表したことは、ここに意味があり、高市首相のこだわりがあったと、首相周辺は解説しています。
──なぜ先駆けて発表する意味があったのですか?
ここからがウラ側です。
ある外務省幹部は、このこだわりの3時間前の発表には、「世界をリードする狙いがあった」と話しています。この「世界」という言葉、2つの地域を意味しています。
まず、アメリカです。この外務省幹部は、日米首脳会談を来週に控えて「結果的にトランプ大統領にもいい流れを作った」とも話しています。
というのも、トランプ大統領は今年秋に中間選挙を控えて、国内でのガソリン価格の高騰に頭を悩ませています。この沈静化を、高市首相がリードしたという外交的メッセージ。
もう一つ、「世界」が指しているのは、ヨーロッパです。ある外相経験者は、「ヨーロッパの一部の国には、備蓄放出に慎重な国もあった」と話しています。首相周辺も「ヨーロッパは、中東依存度が高いアジアほど影響を受けない。危機感に濃淡がある」と解説しています。
今回、備蓄の放出では、先手を打った高市首相ですが、これをいかに実効性のあるものにしていけるのか。
来週はワシントンを訪れて、トランプ大統領との首脳会談も控えています。内政・外交の手腕が引き続き問われます。

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