兵庫県の斎藤元彦知事の疑惑を告発した元県民局長の私的情報が漏洩した問題で、斎藤知事が「情報が適切に管理されなかった責任を明確にする」などとして提出していた知事と副知事の給与カットの条例修正案について、25日、斎藤知事が撤回する意向を示し、県議会本会議で承認されました。給与カットの条例修正案はこれまで、当初案と修正案で去年6月・9月・12月議会の3度、採決されずに継続審査となっていました。
斎藤知事の疑惑を告発した元県民局長の私的情報を、知事の側近だった井ノ本知明・元総務部長が漏洩した問題では、調査した第三者委員会が、井ノ本氏本人を含む複数の職員の証言などから『斎藤知事や片山元副知事が指示した可能性が高い』と結論付けています。
斎藤知事は『漏洩に関する指示はしていない』などと一貫して否定していますが、2025年6月の県議会で『組織の長としての管理責任を取る』などとして、3か月間、自らの給与を現行の30%カットから50%カットに、副知事の給与を現行の15%カットから25%カットとする条例案を提出。
これに対し議会の各会派からは『知事自身が指示を否定していて、詳細が判明していない状況で、管理者責任として知事を処分することはできない』などとして採決は見送られました。続く9月議会でも継続審査となっていました。
2025年12月の県議会では、斎藤知事が『情報が適切に管理されなかった責任を明確にする』と明記した修正案を提出。当初は、主要会派の自民・維新・公明が賛成する意向を示していました。
しかしその後、斎藤知事が報道陣の取材に対して『(当初案と修正案で)内容は変わらない。技術的な修正だ』と繰り返し発言したことなどに、主に自民党の議員が反発。各会派による協議の結果、方針を一転し再び継続審査となっていました。
2月県議会最終日の25日、月末に任期満了となる服部洋平副知事の後任と、欠員が続いていた2人目の副知事に、県の部長2人を登用する議案が追加提出され、賛成多数で可決されました。兵庫県の副知事は条例で2人と定められています。2024年7月、県の告発文書問題に対応していた当時の片山安孝副知事が、「県政の停滞を招いた責任を取る」として辞職して以降、服部副知事の1人体制が続いていました。
継続審査となっていた知事と副知事の給与カットの条例修正案については、斎藤知事は25日、県議会に対して撤回する意向を示し、全会一致で承認されました。
登用されたばかりの副知事2人については給与をカットする必要がないためで、対象を知事のみとする修正案をあらためて提出する意向を明らかにしました。
斎藤知事は議会閉会後の記者団の取材に対し、「閉会日に修正案を提出する考えもあったが、閉会日だけで審議を尽くすことは難しいので6月議会に提出したい」などと話しました。
議会関係者からは「長引かせる問題ではない」「新しい副知事と調整を進めて可決に向けて動いていきたい」といった意見が出ている一方、「この問題に対する状況は変わっておらず、判断材料は足りないままだ」といった声も聞かれました。