大飯原発設置変更許可取り消し訴訟、2審は国側が逆転勝訴 1審は設置許可取り消し

関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を巡り、周辺住民らが国に対し原子炉の設置変更許可の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が28日、大阪高裁であった。川畑正文裁判長は新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断に「看過しがたい過誤、欠落がある」として許可を取り消した令和2年の1審大阪地裁判決を取り消し、住民側の請求を棄却した。
規制委は東日本大震災の東京電力福島第1原発事故を踏まえ、平成25年に原発の新規制基準を定めた。大飯3、4号機は基準に適合したとして30年に再稼働した。
訴訟の主な争点は、原発の耐震設計で目安とするために関電が策定した「基準地震動」が適正だったか否かだった。
規制委の内規である審査ガイドには大飯3、4号機の審査当時、基準地震動を策定する際の重要要素となる地震規模について、数式で算出される数値と実際の観測データとの「ばらつき」を考慮する必要があるという「ばらつき条項」があった。
地裁判決はこの条項に注目。条項には実際の地震規模が数式で算出した数値を上回る可能性を考慮し、数値への上乗せが必要か否かを検討すべきだという「積極的な意味」があると解釈。大飯原発の審査では、こうした検討が行われていなかったと断じ、許可取り消しの結論を導いた。
一方、国側は控訴審で、地裁のばらつき条項の解釈は誤りだと反論。関電は算出した数値への上乗せではなく、数式に当てはめる数値自体を大きく設定するなどの手法を用いて耐震設計に余裕を持たせているとし、これらを踏まえた規制委の審査は妥当だと訴えた。

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