20日に本格的な論戦が始まった消費税減税・支援金法案では、減税の効果や財源の確保、影響を受ける事業者への支援が論点となる。野党は減税による価格の引き下げ効果を疑問視しているほか、政府が財源を明確に示していないことに反発を強めている。
「食料品を中心とする近年の物価上昇は低所得世帯に大きな負担となっている。生活必需品に対する支援が重要だ」
高市首相は20日の衆院本会議で、来年4月から2年間限定で食料品の消費税を減税する意義を改めて強調した。税率引き下げ分は基本的には価格に反映されるとし、1人当たり平均3・6万円の負担軽減になると主張。政府として食料品に関する統計などを活用し、税率引き下げ前後の価格動向を把握していく考えも示した。
ただ、チームみらいの林拓海氏は、欧州で税率引き下げ時に価格が十分に下がらなかった事例を挙げ、「投じた財源の少なくない部分が消費者の手元に届かない恐れがある」と指摘した。
野党は政府が消費税減税などの財源を明示していないことも問題視している。減税と2027年度からの支援金の先行給付では年5兆円の財源が必要となる。
片山財務相は本会議で、法人税などを軽減する租税特別措置や補助金・基金の見直し、税外収入の活用で財源を確保していく考えを示し、「市場の信認を得られるよう、歳出・歳入両面の見直しを進める」と述べた。
ただ、従来の答弁から踏み込んだ内容は乏しく、民主改革の会の重徳和彦氏は「財源は一切明示されていない。社会保障に充てるはずの財源が削られるのではないか」と批判した。
野党は消費税減税で影響を受ける事業者への支援についても具体策を求める。スーパーの総菜などとの税率差が拡大する外食では客離れが進む恐れがある。
消費税の納付が免除されている小規模な農林漁業者では、税率引き下げで手元に残るお金が減ることになる。国民民主党の浅野哲氏は「地域の食堂からも客が減るとの声が上がっている」と述べ、支援策の早期の明確化を求めた。
これに対し、首相は「現場の納得が得られるよう、今後の予算編成過程において支援内容を具体化する」と語った。政府内では、外食に対して「プレミアム付き商品券」などの需要喚起策も視野に入れて検討されているが、飲食店の規模や業種によって支援の必要性は異なるとして、慎重な意見も出ている。
一方、支援金の対象を巡り、首相が参考値として示した100万~350万円の年収の範囲について、野党からは下限額の引き下げを求める声が上がる。
ただ、首相は29年度からの支援金の本格導入について詳細を決めるのは、28年度末までになるとの見方を示した。今国会では、27、28年度に消費税1%分(約6000億円)で実施する先行給付の具体的な設計が主な焦点となりそうだ。