2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人罪などに問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判第17回公判が27日、京都地裁で開かれ、検察、弁護側双方が量刑に関わる情状面について冒頭陳述を行った。検察側は「筋違いの恨みを募らせた結果の類例なき凄惨な大量放火殺人事件だ」と主張。弁護側は検察側が死刑を求刑する可能性が高いとして、裁判員らに慎重に検討するよう求めた。
被告人質問も行われ、事件を振り返った青葉被告は「浅はかだったと思っている」「ほかに方法がなかったかという後悔が残る」と語った。
冒頭陳述は通常は1回だが、今回の公判では論点を明確にするため3回に分けた。27日からの審理を踏まえ、12月7日に検察側が論告求刑、弁護側が最終弁論を行って結審する予定。公判は最終局面に入った。
検察側は事件で36人が死亡、32人が重軽傷を負ったとして「被害者に与えた恐怖、絶望感、苦痛、無念さを重視するべきだ」と強調。ガソリンを用いた放火の危険性や残虐性への考慮も必要だと訴えた。