「違反者に制裁として……」西村康稔経産相が「土地改良法違反事件」で過料を科されていた

岸田内閣の主要閣僚で、次の総理候補の一人でもある西村康稔経産相(61)が、今年10月に行政罰の過料を科されていたことが「 週刊文春 」の取材で分かった。
事件の舞台となったのは、兵庫県土地改良事業団体連合会。一体、どのような組織なのか。
神戸地方裁判所からの通知が西村氏の自宅に届く
「土地改良連合会は、土地改良事業の指導などを行う公法人で、西村氏は当選2期目の2008年から会長を務めています。土地改良法改正に伴い、同連合会の『目的』の一部が変わり、その変更登記を2022年6月2日から2週間以内にする必要があった。それを怠り、会長の西村氏の責任が問われたのです」(西村事務所関係者)
今年、10月中旬、兵庫県明石市にある西村氏の自宅に、1通の薄い封筒が届いた。送り主は神戸地方裁判所明石支部。その中には、次のようなことが書かれていた。
〈令和5年(ホ)××号 土地改良法違反事件〉
〈名称 兵庫県土地改良事業団体連合会/住所 兵庫県明石市××(註・西村氏の自宅住所)/被審人 西村康稔〉
〈主文〉には〈被審人を過料金3000円に処する〉
過料とは、「行政上の秩序の維持のために違反者に制裁として金銭的負担を課すもの」(最高裁判所HPより)だ。
西村氏が会長を務める“メリット”
小誌が連合会を取材すると、担当者はこう弁明した。
「西村代議士は2022年8月に経済産業大臣に就任した事から、会長を休職しており、副会長が職務代行しています。登記も副会長名ですべきところ、事務の不手際で西村会長名で行ってしまいました。過料については、当連合会事務局より既に納付済みです」
だが昨年6月の変更登記期限当時、西村氏が会長だったのは紛れもない事実である。元東京地検検事の落合洋司弁護士が指摘する。
「過料といった行政罰は、行政的な義務を履行しない事に対して科せられ、『前科』にならないものの重みがあります。西村氏が会長を務めるのは“票”になるなどのメリットがあるからでしょう。『知らなかった』では済まされません」
過料が科されたことを知った西村経産相の驚きの反応や、新たに持ち上がった行政のルールに触れる疑惑について、11月29日(水)12時配信の「 週刊文春 電子版 」および11月30日(木)発売の「週刊文春」で詳報する。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年12月7日号)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする