障害者福祉施設「三重県いなば園」(津市)を運営する県の外郭団体・県厚生事業団は1日、男性職員が知的障害のある入所者の腕を引っ張るなどし、県から虐待行為の認定を受けたと発表した。いなば園では、8月に起きた別の虐待行為が県に認定されていた。
県厚生事業団によると、職員は11月13日、施設の玄関付近のソファに座っていた中学生の入所者を別の場所へ連れて行こうとして、右腕をひねって引っ張り続けた。その際、入所者にかみつかれそうになり、首を押さえるなどした。入所者にけがはなかった。施設内の防犯カメラに一連の行為が映っていたという。
いなば園では、8月に別の職員が入所者を殴ったと認定されていた。
今月1日に記者会見した県厚生事業団の井戸畑真之理事長は「8月に続いて虐待の認定を受けたことを重く受け止め、改善に取り組む」と陳謝した。
県は「連続して虐待事案が発生したことは誠に遺憾。虐待行為に対する意識や、組織としてのガバナンスの点において、大きな課題を抱えている」と指摘した。12月中旬にも、いなば園に特別監査に入る方針を示した。