仕事中に24時間以上「死ね」と言われ続ける――。「病んで倒れて一人前」のかわいがり――。テレビ業界に根付くイジメ体質と止まらないハラスメント連鎖について、現役映像作家で障害・虐待・機能不全家族に関する社会活動にも取り組む米田愛子(こめだあいこ)さんが実名で告白。ねとらぼ編集部が取材しました。
●「病んで倒れて一人前」のイジメ体質
映像デザイン事業「CreDes」の代表を務める米田愛子(こめだあいこ)さんは、自身の家族を描いたドキュメンタリー作品「おにい~筋ジスになって絶望はないの?機能不全家族の妹が問う~」で受賞歴を持つ映像作家。
大阪芸術大学卒業後に、地方ローカル局と東京キー局の両方で映像の編集業務を担当した経験を持ち、その際、壮絶なハラスメントを体験したといいます。
――最初に担当したのはどんなお仕事でしたか。
米田:大学を卒業後、地方ローカル局子会社の制作会社に就職し、報道番組の映像編集を担当しました。
――就職してみて、どんなことを感じましたか。
米田:まず感じたのは、女性と華奢でまじめな男性へのあたりの強さです。業界の労働環境がメチャクチャだ、というのはなんとくなく分かっていたので「がんばろう」と思っていたのですが、その想像を超える労働環境でした。
――具体的には。
米田:入社から3カ月経ったころから1人で番組を担当することになり、最初は決められた業務が終わっても進んで残業をしたり自主トレーニングしたりしていたのですが、激務もあり、次第に業務が終わったら帰宅するというルーティーンに移していきました。
そうしたら同じ部署の責任あるポジションの男性上司から「自主トレせずに帰るのをやめた方がいい。米田のことを思って言っている」と言われるようになりました。
ただ、残業自主トレを無理やり継続した期間もあったのですが、睡眠不足などによってじんましんが出てしまったり、自分が想定していたよりも自分自身の体力が足りなくなってきたりしたこともあり、「仕事が終わったら帰るのは悪」という風潮に思い悩んで人事部に相談に行きました。
――人事部への相談で問題は解消できましたか。
米田:結果的にはむしろ悪化しました。
相談を受けてくれた人事担当からは念を押して「誰にも言わない」「秘密厳守」と言われていたのですが、後日その担当者から「米田さんの相談が自分のキャパを超えてしまったから上司本人に話を聞きました」と言われまして。