ベーカリー「ベルベ」元社長、詐欺容疑で逮捕 事業停止・失踪

預金小切手3000万円分をだまし取ったとして、神奈川県警捜査2課は5日、無職の石川民夫容疑者(77)=住所調査中=を詐欺容疑で逮捕した。石川容疑者は大和市に本社を置くベーカリーチェーン「ベルベ」元社長で、2021年11月に事業を停止したころから失踪していた。逮捕時は横浜市瀬谷区の知人宅に身を寄せていた。
逮捕容疑は21年9月、大和市内の飲食店で、知り合いの不動産会社代表に「土地取得を進めている。3000万円が必要だが銀行融資は審査に時間がかかるから、貸してほしい」などと伝え、預金小切手1枚をだまし取ったとしている。容疑を認めている。
県警によると、石川容疑者は当日中に換金。詐取した金を事業資金に充てたとみて調べる。
帝国データバンクによると、ベルベは県内を中心に東京都内や静岡県内にベーカリーチェーン28店舗を展開。ところが21年11月に全店舗を閉鎖し、自己破産を申請した。負債額は約59億円で、ベーカリーの倒産としては当時過去最大とされた。
不動産会社代表は担保としてベルベ側から発行された小切手(3000万円分)を受け取ったが、不渡りで現金化できなかったという。【柿崎誠】

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