「警察が息子殺した」 父親、モニター越し診察に不信感 愛知勾留死

愛知県警岡崎署(同県岡崎市)の留置場で2022年12月、勾留中の男性(当時43歳)が死亡した事件で、県警は7日、男性の父親(72)に捜査結果を説明した。面会後に記者会見した父親は「安心すべき警察署で悪いことが横行していた。警察が息子を殺したと思っている」と改めて憤りをあらわにした。
父親への説明は、同県新城市の新城署で約2時間にわたり非公開で行われた。加藤久幸監察官室長らが、男性が亡くなった経緯を報告し、謝罪した。
父親によると、統合失調症を患っていた男性を入院させるよう求めたのに勾留を続けた理由を尋ねたが、「モニター越しに診察した医師の判断に基づいた」と言われただけだったという。父親は「脱水症状で死にそうだったのに医師が見過ごしたとは思えない。(警察が)隠蔽(いんぺい)しているのではないかと思ってしまう」と不信感を募らせた。
県警などは1日、業務上過失致死などの疑いで当時の署員9人を書類送検し、署長ら27人を処分した。暴れるなどした男性は手錠や縄で計144時間拘束されたほか、複数の署員が男性に暴行するなどの不適切行為も明らかになった。
父親は息子を守れなかったことを悔やんでおり、「日本の治安を守る警察が留置場の中でありえないことをしていた。説明を受けたが、理解も納得もできない」と話した。【森田采花、熊谷佐和子】

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