“頂き女子りりちゃん”と名乗り、恋愛感情を利用して複数の男性から2億円以上をだまし取ったとみられる25歳の女。6日の裁判で明かされた動機は、「ホストをナンバーワンにすることに自分の価値や生きる意味があると思っていた」というものでした。
◇
茶色く染まった髪に、メガネ。6日、名古屋地裁で2回目の裁判を迎えたのは、自らを“頂き女子りりちゃん”と名乗る、渡辺真衣被告(25)。
11月の初公判では暗い髪色にノーマスクでしたが、6日は黒染めが抜けたのか茶色い髪色に変わり、白いマスクをつけて法廷に。
恋愛感情を利用して男性2人から、現金あわせて1億5000万円以上をだまし取った詐欺罪と、男性をその気にさせるテクニックをまとめたマニュアルを販売し、別の女の詐欺を手助けした詐欺ほう助罪に問われている渡辺被告。
押収されたマニュアルより
「おぢとの関係性が出来上がってるか不安な女の子向けに」
「おぢにかけられる魔法を書きました!」
◇
11月の初公判では、罪について次のように、独特の口調でけだるそうに答えていました。
裁判官
「名前は?」
渡辺被告
「渡辺真衣です」
裁判官
「仕事は?」
渡辺被告
「していません」
裁判官
「起訴内容に間違っているところはありますか?」
渡辺被告
「いや、ないです」
6日は、2人のうちの1人から、約3800万円をだまし取ったとされる詐欺の罪について、か細い声で起訴内容を認めました。
裁判官
「(起訴内容について)何か間違っているところはありますか?」
渡辺被告
「いや、ありません」
裁判官
「全部あっている?」
渡辺被告
「はい」
冒頭陳述で、検察側は被告の供述内容を明らかにしました。
検察側による渡辺被告の供述内容
「ホストクラブで使う金がほしかった」
「ホストをナンバーワンにすることに自分の価値や生きる意味があると思っていた」
◇
その貢ぎ先が、東京・歌舞伎町のホスト、狼谷歩こと田中裕志被告(26)。渡辺被告がだまし取った金が含まれていると知りながら、ホストクラブの飲食代として現金約900万円を受け取ったとして、4日に起訴されました。
だまし取った金の大半を、田中被告らホストに貢いでいたとみられる渡辺被告。ターゲットにした数十人の“おぢ”から、言葉巧みに3億円以上をだまし取ったとみられていて、渡辺被告のSNSでは「じじい」といったタイトルで、男性への電話のかけ方をレクチャーすることも。
渡辺被告のSNSより 電話のかけ方のレクチャー
「もしもし? あっごめんね、いきなりかけて。いやいや、いま仕事中だよね? ごめんね、ほんとに~」
ポイントは、「いきなりかける」こと。
渡辺被告のSNSより 電話のかけ方のレクチャー
「今仕事中だよね、ごめんね本当に。いきなり電話かけてごめーん」
「いまちょっとメンタルやられすぎてて~。いつも(○○くんの)優しい温かい言葉に支えられてて、それで頑張れてるから、それ伝えたくて」
恋愛感情を利用して金をとる手口をまとめた「マニュアル本」の販売でも、約2000万円を手にしていたとみられています。
渡辺被告
「いかがだったでしょうか。みなさん参考になったでしょうか。ぜひ試してみてください」
6日の裁判では、検察側によると被害者の男性について「彼女を演じていたが同居するつもりはなかった」とも供述していたことが明らかになった渡辺被告。次回の裁判は、2月16日に開かれる予定です。
(12月6日放送『news zero』より)