防衛装備庁は15日、鉄くずにする前提で国内の民間処分業者に売り払っていた自衛隊の専用車両の一部が解体後に再生されるなど、処分が不適切だった事例を確認したと発表した。解体・破砕が不十分な車両を再生して作られた16台を日本とフィリピンで確認したほか、転売目的で輸出される前の2台も見つかった。
同庁はトラック2台の輸出を計画していたとして岐阜県本巣市の解体業者「栄興業」を指名停止9カ月としたほか、必要な書類の提出を怠ったとして東京都港区の回収業者「JTカンパニー」を指名停止4カ月とした。
高機動車やジープなどが耐用年数を超えると、競争入札で売り払う。転売を防止するため、復元できないよう破砕や切断を業者に求めている。だが類似する車両が出回っているとの情報があり、契約書類が残る2018年4月からの5年間に売却された約7500台について落札した約90業者に聞き取りを実施した。栄興業以外、流出に関与した業者は特定できていない。
同庁は解体、破砕作業が不十分だったことが一因とみて、転売を禁じる車両の部位を明確に規定するとともに、外装やフレームといった車両の主要部分を自衛隊の施設内で解体させたり、落札業者には売却先を報告させたりする再発防止策を実施する。【松浦吉剛】