奈良市の小学校で、女子児童がいじめを受けて重大事態に認定され、自殺をほのめかす内容が書かれたノートに“花マル”をつけて返却していた問題で、奈良県教委は花マルをつけた担任教諭の行為は「懲戒処分の基準には該当しない」との見解を明らかにしました。奈良県教委は今回、ノートに花マルをつけた行為などについては、被害児童に対する配慮に欠けていて不適切ではあるものの、教諭が聞き取り調査に対して「励ますつもりだった」と話していることなどから、「懲戒処分には該当しない」との見解を明らかにしました。一方で、県教委は担任教諭を12月18日から来年3月末まで県内の教育研究所で指導改善研修を行うとしていて、この間は教諭は教壇には立たないということです。奈良市教育委員会などによりますと、市立小学校の当時3年の女子児童は、おととしから去年にかけて同級生から足を蹴られてケガをするなどのいじめを受け、学校側は去年12月、いじめの重大事態に認定しました。去年6月、女子児童は当時の担任に対し、「わたしは死ねばいいのに」などと記載したノートを提出したところ、担任は“花マル”をつけたうえで、「you can do it(あなたならできる)」などと書いて女子児童に返却するなど、不適切な対応をとっていたということです。MBSの取材に応じた女子児童の保護者。学校の対応についてこう話します。「(蹴った)加害児童が『やっていない』と言うし、調査できないということだったんですね。(学校に)お願いしたんです、調査をしてほしいと。そしたら『学校は警察じゃない』と言われてしまった」女子児童は、その後もからかいなどを受け、去年9月には適応障害と診断されました。保護者が調査を要望して、去年12月にようやくいじめの重大事態として認定したということです。また、担任がノートに書いた内容について、両親は困惑したと話します。(女子児童の保護者)「娘は心の叫びというか、だいぶ追い詰められていると思うんですよね。助けを求めていたと思うんです。『You can do it』っていう意味合いが全く理解できない」市教委の聞き取りに対して、担任は「女子児童を励ますつもりだった」などと説明したということですが、一連の対応について保護者は憤りを感じています。