スポーツ用品大手のミズノと下着大手のワコールを装った偽サイトによる被害が相次いでいる。両社のブランドのロゴが使われ、格安で正規品を販売するとうたうが、注文すると偽物が届くという。偽サイトは現在も存在しており、消費者庁が注意を呼びかけている。
消費者庁によると、昨年4月~今年10月末、全国の消費生活センターに、ミズノの偽サイトに関する相談が484件、ワコールが793件あった。50~60歳代の女性が7割を占める。このうち計315件は支払いを済ませており、被害額は270万円超に上った。
インスタグラムやフェイスブックなどのSNSに広告が表示されクリックすると偽サイトに誘導される。偽サイトにはブランドロゴが使われているが、注文すると偽物や粗悪品が代金引換で送られてくるという。
ミズノとワコールにも1000件を超える問い合わせが寄せられ、両社はSNSの運営会社に偽サイトにつながる広告の削除を要請したり、警察に相談したりしている。だが、消費者庁によると、現在も両社の偽サイトは計8件あるという。ミズノの担当者は「偽サイトは次々に現れ、撲滅するのは難しい」と話す。
ビーズクッションを手がける「ヨギボー」や会員制量販店の「コストコ」などの偽サイトも見つかっている。知名度の高いブランドが狙われる傾向にあるとみられ、消費者庁は「URLが不自然だったり、事業者の名称や電話番号が表示されていなかったりする場合は疑ってほしい」としている。