輸血用血液、関東甲信越で逼迫 「A型が特に」日赤が献血求める

関東地方など1都9県で献血活動をしている日本赤十字社関東甲信越ブロック血液センターは26日、「輸血用血液の在庫量が2023年度で最も逼迫(ひっぱく)している」と発表した。医療機関で使われる赤血球製剤の量が増える一方、インフルエンザや風邪の流行で献血の協力者数が伸び悩み、25日時点で約7300人分が足りない状態になっているという。
血液センターによると、関東などではA型の血液が特に少なく、B型、O型も不足しているという。「このままだと安定的な供給に支障を来す恐れがある」といい、献血への協力を呼びかけている。
冬場は寒さの影響で心臓や血管系の手術が多く、医療機関で必要な赤血球製剤が増える傾向にある。ところが10月以降、管内の献血協力者数は血液センターの見込みを下回り続けており、12月になって医療機関の必要な分が急増したのに対し、協力者の数が追いついていない。
献血は血液中の全成分を採血する「全血献血」(200ミリリットルか400ミリリットル)と、血小板など特定成分だけを採血する「成分献血」の2種類があるが、赤血球製剤に使いやすい全血献血の400ミリリットルが求められているという。
他の地域から融通を受けてはいるが、赤血球製剤は採血後は28日間しか保存できず、常に新しい血液が必要となる。各地域の献血会場では、受付時間を延長したり、協力者に記念品を配るキャンペーンを実施したりして、協力者の底上げを図っている。
担当者は「年末で忙しいと思うが、患者さんに血液を安定的に届けるためにも、協力をお願いしたい」と話している。
日本赤十字社によると、関東甲信越以外は今のところ逼迫はしていないが、年末年始や3月末から4月の年度の変わり目には献血協力者が不足しがちになるといい、継続的な協力をお願いしている。【デジタル報道グループ】

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