大阪府摂津市内の中学校で、上級生からいじめを受けていた男子生徒に対して、教諭らが上級生のいじめを容認したうえ、生徒の尻を蹴るなどの行為をしたとして懲戒処分されました。 大阪府教育委員会によりますと、今年5月中旬~6月上旬にかけて、大阪府摂津市立の中学校で男子生徒が上級生からくすぐられたり、締め技をされるなどのいじめを受けていたということです。 6月上旬、男子生徒が上級生から身動きができないように捕まえられ、くすぐりなどの行為を受けていた際、その場に近づいた29歳の男性教諭が、くすぐっていた生徒から「やっていい?」と聞かれ、「やれやれ」と返事しました。その後29歳の男性教諭はくすぐられ横向きに倒れていた男子生徒の尻を複数回蹴ったということです。 蹴られた生徒はその後保健室に行き、いじめを受けたことや教諭から蹴られたことを訴えました。 訴えを聞いた校長らが教諭から聞き取りを行ったところ、教諭は「仲良くやれやれと言った」「蹴るつもりはなかった」などと話し、校長は教諭の言い分を信用したということです。▼保護者らが来校…2時間の話し合い中 教諭は衝立の後ろに隠れるも…物音を立て存在バレる 校長と教諭は謝罪のためその日の夕方、男子生徒の自宅に家庭訪問に行きましたが、保護者は2人の説明に食い違いを感じたとして、謝罪は受け入れなかったということです。 校長と教諭は帰校したところ、保護者が来校、その際に校長が教諭に席を離れるように指示、教諭は校長室の衝立に隠れたということです。 保護者は校長に教諭の所在を尋ねたところ、校長は「不在である」と答えました。約2時間話し合いが行われた後、隠れていた教諭が物音を立てたことから、保護者が教諭の存在に気づき、保護者は強い不信感を抱いたということです。 教諭は聞き取りに対して、「少しくらい大丈夫だろうという認識があった。生徒と一緒に加わって遊ぼうとの思いで、被害生徒を蹴った」「蹴ったと言うと、体罰になると思い、不誠実な説明をした」と話しているということです。 また、校長は聞き取りに対して、「教員が生徒を蹴ることはないという思いで、教諭の説明を疑わず信じてしまった」「保護者が来校した際に、教諭と会わさない方がいいと思った」と述べているということです。 大阪府教委は12月26日付で校長を減給1か月、29歳の男性教諭を減給6か月の懲戒処分にしました。