栃木県鹿沼市議会は関東屈指の清流として知られる大芦川流域で、バーベキューなどの行為を禁止する罰則付きの条例案を21日、全会一致で可決した。ごみの放置など迷惑行為が改善されないため、市が条例化に踏み切った。来年4月に施行される。
市西部の山間部を流れる大芦川流域では近年行楽客が増加。特に、2020年にはコロナ禍での屋外行事の自粛などで急増した。それに伴って路上駐車やバーベキュー後のごみの不法投棄などの迷惑行為も増え問題となっている。市は地域と連携してプロジェクトを立ち上げ、ゴミ拾いやパトロールなどの対策に取り組んでいる。
しかし、不法投棄に加えて野外での排せつ、騒音や危険行為など悪質な迷惑行為が減らず、流域の住民生活と自然環境保全のため、規制を検討してきた。
可決された「大芦川流域における生活環境等の保全に関する条例」では、保全区域内でのバーベキューと花火、騒音を出す行為を禁止し、違反した場合は1人5万円以下の過料を科す。禁止行為の取り締まりには、保全監視員として市職員らが3人1組でパトロールを行うほか、警察、県土木事務所など関係機関との連携強化も図る。
保全区間の選定や禁止期間については地元住民らと協議し、今年度内に決定して公表する。市の担当者は「条例は地域課題解決に向けた第一歩であり、引き続き地域や関連団体と連携して取り組みを推進していきたい」と話している。【松沢真美】