もはや底なし状態になってきた。
自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件で、東京地検特捜部は28日、最大派閥「安倍派」(清和政策研究会)の大野泰正参院議員(64=岐阜選挙区)の議員宿舎や事務所などの関連先に家宅捜索に入った。
大野氏は昨年までの5年間で、安倍派から約5000万円のキックバックを受け取りながら、政治資金収支報告書に記載していなかった疑いがある。安倍派所属の国会議員に対する特捜部の家宅捜索は、27日の池田佳隆衆院議員(57)に続き2人目だ。
党所属の現職国会議員が相次いで特捜部の家宅捜査を受けるという異常事態に対し、総裁の岸田文雄首相(66)も強い懸念を抱いているのかと思いきや、違った。28日、首相官邸でぶら下がり会見に応じた岸田首相は淡々とした表情で「強い危機感を持って政治の信頼回復に努めなければと感じている」などと他人事のように語っていたからだ。
■官邸動画は岸田首相のプライベートビデオのよう
SNS上でも、《まずは国民に対して「申し訳ありません」と言うべきだろう》《検察の捜査の状況を見守るのではなく、総裁として自主的に動くべきではないのか》といった批判の声が出ていたが、なるほど、連日のように更新している「首相官邸」のX(旧ツイッター)を見ても緊張感がてんで感じられない。
例えば《#2023年の1年間を振り返る》と題したXでは、《第1弾「ウクライナ篇」 日本は、1日も早くウクライナに公正かつ永続的な平和をもたらすべく、引き続き取り組んでいきます》《第2弾#広島サミット G7をはじめ、各国のリーダーたちが被爆地を訪れ、被爆者の声を聞き、被爆の実相や平和を願う人々の想いに直接触れ、歴史に残るサミットとなりました》などと自画自賛するかのような話題ばかり。
《PLAYBACK2023 岸田政権の1年を振り返る》と題した動画も、まるで岸田首相のプライベートビデオのようだ。
《なぜ裏金パーティー事件について、きちんと国民に謝罪し、真相究明すると言わないのか》
《旧統一教会問題は?今の政治資金問題は?首相官邸のXからは、強い危機感などがまったく見えないが》
《王様はこんなに頑張りましたと言いたいのか。国民を何だと思っているのか》
国民の怒りの声は増すばかりだ。