45都道府県で「採用予定数割れ」 公務員不足、急速に悪化

47都道府県が2023年度に実施した職員採用試験で、採用予定数を満たす合格者を全ての職種区分で確保できたのは大阪府と兵庫県にとどまり、45都道府県で「採用予定数割れ」が生じていたことが、毎日新聞のアンケートで判明した。特に土木や獣医などの技術・専門職で目立ち、一部の自治体では工事発注の遅れなどの影響が出ている。
都道府県で急速に進む採用難の実態が明らかになった形で、8割にあたる37都道府県では、19年度より採用予定数割れの職種区分が拡大した。人口減少に伴い、今後更に公務員の確保が難しくなることが予想される。
毎日新聞は23年11月、「大学卒業程度」を対象とする直近5年(19~23年度)の職員採用試験についてアンケートを実施し、全ての都道府県から回答を得た。
自治体ごとに行政職や技術・専門職などの採用区分は異なるが、全ての都道府県が直近5年で「採用予定数割れとなった区分があった」と回答した。
23年度は、大阪府と兵庫県を除く45都道府県で採用予定数割れが生じ、このうち38道県では他の自治体や民間企業に流れる「採用辞退」があった。
採用が難しい職種区分について複数選択で尋ねたところ、土木(46自治体)▽獣医(44自治体)▽林業(32自治体)▽建築(30自治体)▽電気(30自治体)――などが多かった。10自治体は一般行政職の採用も厳しくなっていると答えた。
行政運営や住民サービスへの影響を聞いたところ、山梨、和歌山、沖縄の3県が「既に影響が出ている」と回答。39道府県は「現時点で影響はないが、今後影響が出る懸念がある」と答え、「影響はない」は4県にとどまった。【横田愛、菅沼舞】

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