朝鮮人追悼碑の撤去終了を宣言 高崎市の「群馬の森」公園、20年ぶりに原状へ

群馬県は2日、同県高崎市の県立公園「群馬の森」にある朝鮮人労働者追悼碑の行政代執行による撤去終了を宣言し、撤去で更地になった写真を公開した。市民団体の申請を受け条件付きで追悼碑が設置された平成16年4月以来、園内は約20年ぶりで原状に戻った。
「以上をもちまして、行政代執行法第2条の規定にもとずく『記憶 反省 そして友好』の追悼碑の撤去および原状回復の代執行を終了します」
県が公開した動画によると、2日午前9時44分、県都市整備課の金井亘課長が終了を宣言した。その先には、何もない更地が広がっている。作業開始を宣言した1月29日には幅7・2メートル、塔の高さ3・98メートルの追悼碑があったが、撤去された。一部報道では、公園の一角にバラバラにされたコンクリート片が積み上げられているとされたが、県は「撤去の詳細は公表しない」としている。
作業は11日までの予定で公園を閉鎖して行われた。追悼碑は撤去されたが、今後は作業のために出入りを封鎖した大小の門計9カ所を解除し、安全を確認し次第、閉鎖を解くという。
追悼碑は「政治的行事は行わない」との条件付きで設置が認められたが、追悼式で「強制連行の事実を訴え、正しい歴史認識を持てるようにしたい」などの発言があり、県は平成26年、許可を更新しなかった。その後、訴訟となり、令和4年、最高裁で市民団体側の敗訴が確定。県は碑の撤去と原状回復を求めたが、協議は平行線をたどり、県は代執行による撤去に踏み切った。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする