日弁連次期会長に渕上玲子氏…1949年の発足以来初の女性トップ

日本弁護士連合会の次期会長選が9日行われ、元東京弁護士会会長で同会所属の渕上玲子氏(69)が1万1110票を獲得し、3905票だった千葉県弁護士会所属の及川智志氏(58)を破り、当選が内定した。1949年の日弁連発足以来、53人目で初めて女性が会長に就くことになる。裁判官、検察官、弁護士の法曹三者の中で女性トップが誕生するのも初。
渕上氏は長崎県出身で、一橋大法学部を卒業後、83年に弁護士登録。弁護士会による市民向けの「法律相談センター」の充実に取り組み、2011年の東日本大震災では、被災者向けの相談窓口の設置に尽力した。17年度に東京弁護士会で初の女性会長を務め、日弁連では副会長や事務総長を歴任した。
渕上氏は9日の記者会見で、会長として重点的に取り組みたい施策として裁判手続きのIT化への対応を挙げ、「研修などを通じて弁護士を技術的にサポートし、IT化のメリットを社会が享受できるようにしたい」と述べた。女性初の会長となることについては「大変責任が重い立場だが、男女共同参画を体現する存在として会長の職務に臨みたい」と語った。
会長選で当選するには全国52弁護士会のうち18会以上で相手候補の得票を上回る必要があり、渕上氏は45会で及川氏を超えた。20日の選挙管理委員会で正式決定する。任期は4月1日から2年間。投票率は過去最低の33・23%だった。

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