「被告の言葉は理不尽」 京アニ遺族が大阪府警で講演 支援の重要性訴え

令和元年7月の京都アニメーション放火殺人事件で犠牲となった渡辺美希子さん=当時(35)=の母、達子さん(73)と兄の勇(いさむ)さん(45)が9日、大阪府警本部で警察官や犯罪被害者支援団体の担当者ら約60人を前に講演し、遺族らへの心身のサポートの重要性を語った。
事件発生当日かつて患っていたメニエール病が再発したという達子さんは、昨年9月から青葉真司被告(45)の裁判に傍聴のため足を運び、ストレスから症状が悪化。薬を服用してその場をしのいだと説明し、「事件により被害者や遺族は精神的な不調だけでなく、体の病気を発症する可能性があることを知ってほしい」と訴えた。
勇さんは殺人罪などに問われ京都地裁から死刑判決を言い渡された青葉被告について「大切な妹の命を奪った被告の言葉は理不尽だった」と振り返った。裁判の傍聴では知らない間に体力を奪われ、家に帰ると倒れるように眠っていたといい、「天国でこれまでのことを妹に報告しなければいけない。近くにいるつらそうな人たちを孤独にさせないようにしたい」と語った。
また、カウンセリングで心が救われた経験から「最初は気持ちが病んでいると認めたくなくてカウンセリングを拒否していたが、受けてよかった。支援する側には長期的な声かけをお願いしたい」と呼びかけた。

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