不同意わいせつの容疑者逮捕に貢献したとして、磯子署は9日、県警鑑識課所属の警察犬「ニケ」(雌、6歳)に表彰状と副賞の「ササミジャーキー」を贈った。臆病な性格ながらも現場での活躍は著しく、表彰されるのは4回目という。
署によると、昨年10月1日午前1時40分ごろ、JR根岸駅前にあるバスロータリーのベンチでうたた寝していた女性から「痴漢に遭いました」と110番通報があった。上半身を触られたのに気付いて男を追いかけたが、男は走ってその場を去っていったという。
通報の約1時間後、同課の山村和(たか)警部補(53)と砂岡健太郎巡査長(35)がニケを伴って現場に到着した。ニケは男が座っていたベンチのにおいをたどり、約300メートル先の地点まで誘導。同地点には男が使用した車が止めてあったとみられ、付近の防犯カメラの映像から車種やナンバーを特定し、容疑者が浮上した。
山村警部補は「磯子署員が、容疑者が座っていた場所を正確に把握してくれていたので、ニケも迷わず捜査できた」と言えば、砂岡巡査長は「ニケは臆病な性格。でも、現場ではそれを気にせず正確な作業をしてくれる」と相棒をたたえた。小林三季署長は「早く現場に駆け付けてくれたおかげで、決定的な証拠をつかむことができた」と目尻を下げていた。