松野前官房長官「機密費4660万円」持ち逃げ疑惑…自身の裏金還流1000万円超が報じられた時期

松野前官房長官が、昨年12月14日に退任する直前の2週間に内閣官房機密費4660万円を使用していたことが明らかになった。「しんぶん赤旗」が情報公開で入手した「政策推進費受払簿」で判明したとして、11日に「“闇金”抱え退任」と報道。13日の衆院予算委で、この件について野党から質問された林官房長官が事実と認めた。
松野氏は昨年12月1日に機密費9660万円を自身が管理する「政策推進費」に振り分けたが、14日に後任の官房長官に就いた林氏が金庫を確認したところ、残っていたのは5000万円だったという。差額の4660万円は何に使われたのか。
当時は自民党派閥の政治資金パーティーの裏金化が問題になり、松野氏が直近5年間で1000万円を超える裏金のキックバックを受けていたことが新聞などに報じられた時期だ。松野氏は会見でもロクに説明できずヨレヨレで事実上、更迭されたのだが、5000万円近いカネを持ち逃げとはいい度胸だ。
パーティー裏金も1000万円超
昨年12月12日に松野氏の不信任決議案が否決された際、ニヤリと不敵な笑みを浮かべたことが印象に残る。キックバックに加え、つかみ金の機密費まで手にしていたら、そりゃ笑いが止まらないだろう。
松野氏は13日、「公益、国益にのっとって使用されている」と記者団に話したが、使途については明らかにしない。松野氏の官房長官在任中に約27億5000万円の機密費が支出され、そのうち約26億5000万円が政策推進費に充てられていた。
「官房機密費はだいたい月に1億円といわれていて、2週間で4660万円は特に多いわけではない。ただ、持ち出したタイミングが悪いよね。12月の後半2週間分の5000万円を残していくところは松野さんらしいと思いましたが、『政治とカネ』に厳しい目が注がれる中で、なかなか国民の理解は得られないでしょう」(自民党ベテラン議員)
松野氏は千葉県立木更津高校から早大法学部に進み、卒業後は生活用品メーカーのライオンに勤務。その後、松下政経塾に入った。政経塾9期生の同期には秋葉元復興相らがいる。1996年に自民党千葉県連の公募に合格し出馬するも落選。2000年の衆院選で初当選して以来、当選8回。安倍派では19年9月から約2年間、事務総長を務めた。裏金キックバックが盛んだった頃だ。
松野氏が自身のHPに残したエッセーには、自宅の庭で缶ビールを空けるのがお気に入りだと書かれている。<うちにあるビールはカロリーオフの発泡酒しかないけど>と庶民的なつつましい生活ぶりをアピールしていたが、地味な風貌からは想像できない銭ゲバだったということか。

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