大久保被告「説得力ない」と批判=共謀の元医師、取材に―ALS嘱託殺人、5日判決

難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者から依頼を受け、薬物を投与して患者を殺害したとして、嘱託殺人罪などに問われた医師大久保愉一被告(45)の判決が5日、京都地裁である。大久保被告と共謀したとして罪に問われた元医師山本直樹被告(46)=一審有罪=が4日までに、大阪拘置所で時事通信の取材に複数回応じ、大久保被告について「主張に説得力が全くない」と批判した。
山本被告は大久保被告と分離する形で公判が開かれ、父親を殺害したとして昨年2月に懲役13年、同12月には嘱託殺人罪などで懲役2年6月の実刑判決を京都地裁で受けた。大久保被告は起訴内容を認めた上で、「(患者の)願いをかなえるためだった」として無罪を主張している。
取材に山本被告は、大久保被告が女性の主治医ではないことなどから、「(同被告が)取った行動は、尊厳死が認められるべきだということを主張できる立場にない」と非難。一方で、女性の症状については「個人的には尊厳死が認められるべきだった」との見方を示した。
また、自身は安楽死を進めるべきだとの考えは持っていないと強調。大久保被告と共謀したと一審で認定されたことについては「大久保被告が勝手に一瞬でやったこと」とし、改めて否定した。
6日に大阪高裁で言い渡される自身の父親殺害の控訴審判決については、「正しく審判すれば、無罪だと確信している」と述べた。
[時事通信社]

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