高級腕時計シェアリングサービス「トケマッチ」の運営会社の元代表の男が、利用者から預かっていたロレックスを売却し、着服したとして、警視庁は指名手配しました。被害届は44件にのぼり、「時計が返ってこない」と被害者らは怒りをあらわにしました。
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「預けた腕時計が返ってこない」と憤りをあらわにしたのは、都内に住む男性です。
トケマッチに腕時計を預けていた男性
「15本で約2000万円(相当)。許せるわけがない。当然腹立たしい思いと、望みは薄いんですけど、時計は返ってきてほしい」
男性が利用していたのが、高級腕時計のシェアリングサービス「トケマッチ」です。
「トケマッチ」は、高級腕時計の持ち主から預かった腕時計を、利用を希望する人に有料でレンタルし、持ち主にはその時計がレンタルされたかどうかに関わらず、毎月「預託料」が支払われるというサービスでした。
男性は高級腕時計15本、約2000万円相当をトケマッチ側に預け、1本も返ってきていないといいます。
トケマッチに腕時計を預けていた男性
「(時計は)トケマッチに預けることで、収入を得ることを目的で買った。メディアに社長が出ていたので、有名人と対談もしてるし、広告とかも打たれていたので、ある程度信用できるかな。3年くらいビジネスが回っていたので、大丈夫かなと信用しました」
自分の時計がネットなどの別の場所で売られていないかどうか調べて回ったところ、2本が販売されているのを見つけ、警視庁に被害届を提出し、受理されたということです。
トケマッチに腕時計を預けていた男性
「自分の時計が、オークションサイトとかで実店舗で販売されているのを見て、警察に証拠とあわせて持って行って、最近被害届が受理された」
「2000万円があれば、今もトケマッチからお金が入ってきている予定だったので、そのお金を使って子どもの教育や、さらなる投資に使う計画だったので、資金計画、生活の計画は大きく狂っています」
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この「トケマッチ」を運営していた会社の元代表、小湊敬済こと福原敬済容疑者(42)に対して、警視庁は業務上横領の疑いで逮捕状を取り、指名手配しました。福原容疑者は、利用者から預かったロレックス1本を今年1月、大阪府の古物商で65万円で売却し、着服した疑いがもたれています。
福原容疑者は今年1月31日にトケマッチのサービス終了と、会社の解散を発表しましたが、同じ頃、成田空港から出国し、現在、海外逃亡しているとみられています。
捜査関係者によると、トケマッチをめぐっては13都府県で44件の被害届を受理しているということです。
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大阪の警察署に被害届を提出し、受理されたという男性は…。
トケマッチに時計を預けていた男性
「ロレックス2本で総額400万円相当。悲しみと怒りでいっぱい。だまされたという思いです」
トケマッチに時計を預けていた被害者の会は、2月末時点で約190人の被害を確認していて、少なくとも866本、計18億2000万円相当の腕時計が返却されていないとしています。
警視庁は海外逃亡しているとみられる福原容疑者について今後、ICPO=国際刑事警察機構を通じて、国際手配の手続きを進める方針です。