参院政治倫理審査会が8日午前に開かれ、自民党派閥の政治資金規正法違反事件を巡り、自民などの参院議員計32人に対する審査会の開催を全会一致で議決した。審査会は全員に出席の意思の有無を確認した上で、審査会を14日か15日に開催する方向で調整している。両日に開催する案もある。
議決の対象となったのは、安倍、二階両派に所属した参院議員31人と、在宅起訴された大野泰正参院議員(自民を離党)。8日中に出欠の意向確認書を送付し、12日午前11時までに回答を求める。
32人の審査を申し立てた立憲民主党など野党は32人全員の弁明と質疑を公開で行うよう求めている。審査会への出席は本人の意向が尊重されることから、出席する場合に公開するかどうかについても確認する。現時点では、自民参院安倍派の世耕弘成・前参院幹事長と、西田昌司参院議員が完全公開で審査会に出席する意向を表明している。
安倍派では、参院選の年に改選を迎えた議員の政治資金パーティー券の販売ノルマを免除し、販売分を全額キックバック(還流)していた疑惑が浮上している。野党側は「選挙資金として使ったのではないか」などとして追及しており、審査会ではこれらの疑惑解明につながるかが焦点となる。
2022年に会長だった安倍元首相の意向に反し、安倍氏の死去後に還流が継続された経緯を巡っては、元幹部の間で説明にズレが生じており、安倍派幹部を務めた世耕氏の説明も注目される。
審査会開催の議決後、参院政倫審の佐藤正久・与党筆頭幹事(自民)は「(全会一致という)重い議決だ。自民党としても深い反省に立って、審査を行う」と述べた。