11日、北海道後志地方の羊蹄山で雪崩に巻き込まれて男女2人が死亡した事故で、専門家が12日、現地調査に入り、積雪の状況などを確認しました。
11日、羊蹄山の標高750メートル付近で、バックカントリースキーをしていた3人が雪崩に巻き込まれました。この事故で、いずれもニュージーランド国籍で倶知安町に住むセレンズ・ジョシュア・アシュリーさん(33)とボルトン・イザベラ・スカイさん(21)が死亡し、21歳の男性が肩を脱臼するけがをしました。
麻原衣桜記者(12日) 「午前8時です。専門家が羊蹄山へ現地調査に入ります」
事故を受け、日本雪氷学会の調査チームが、12日朝、羊蹄山に入り、正午ごろから2時間ほどかけて現地を調査しました。
日本雪氷学会 原田裕介さん(12日午後4時ごろ) 「1100メートルくらいのところの積雪の状況と下のほうの雪崩の概況を2班に分けて作業した。硬いざらめの層が崩れるのではなくて、上の2つの層のどちらかが、今回の雪崩に寄与してるかもしれない」
また、雪崩が長さおよそ2キロにわたり起きていたこともわかりました。調査チームは引き続き雪崩の原因を調べることにしています。
今シーズン、バックカントリーで遭難した外国人の数は、2月末の時点で26人。 3月に入ってからの件数は入っていませんが、過去5年間で最も多かった2019年シーズンと並んでいます。 コロナ禍が明けて、外国人の遭難が急増しています。 ただ、一方で捜索や救助に向かう警察などの隊員たちの負担は増すばかりです。
バックカントリーに入ってスキーやスノーボードをする前に、自分が遭難したら捜索にあたる人たちの命も危険にさらしてしまうと自覚している人がいったいどれだけいるのか…。 もし、全ての人たちがそういった意識を持っていたならば、過去5年で最悪のペースで遭難件数が増えることはないと思います。