「大金渡すから連れて行かないで」インドネシア当局に“賄賂”交渉?「西山ファーム」元副社長を移送・逮捕へ…逃亡生活の実態は

観光農園「西山ファーム」による巨額投資詐欺事件。警察はインドネシアで拘束された首謀者とみられる男を今夜、日本に移送し、その後、逮捕する方針です。現地取材で見えた逃亡生活の実態です。
記者「山崎容疑者が姿をみせました」
きょう、インドネシア入管当局の会見に姿を見せた山崎裕輔容疑者(43)。破産した岡山県の観光農園「西山ファーム」の元副社長です。果物などの海外販売事業をめぐる投資詐欺を首謀したとみられ、国際手配されていました。被害総額は133億円にのぼります。
記者「違法性の認識はあったんですか?」
質問には何も答えませんでした。
捜査の手が及ぶ前に出国していた山崎容疑者は複数の国を転々とし、3年前からはインドネシアに滞在。潜伏先はどんなところだったのか。
潜んでいたのは西部レンパン島。首都ジャカルタから複数の島を渡り、この島に行き着きました。出稼ぎの労働者らとともに車で移動しながら寝泊まりしていたということです。そして、1月末…
記者「山崎容疑者はこちらの海岸から木造のボートを使って、マレーシアに密航しようとしていたということです」
海上で身柄を確保されたのです。
山崎容疑者を確保した警察官「(山崎容疑者は)『友人を通じて1億5000万ルピア(約140万円)を渡す』『大金を渡すから入管に連れて行かないで』と言ってきたので、危険な人物だと思いました」
取り調べに立ち会った警察幹部は…
地元警察の幹部「彼は多くのことを話したがりませんでした。このようにすごく落ち込んでいました」
“金を何に使ったのか?”という問いに、山崎容疑者はこう答えたといいます。
山崎容疑者「たくさんの借金があり、その返済に使った」
つい先ほど、ジャカルタ郊外に身柄を移された山崎容疑者。今夜の便で日本に移送される予定で、愛知県警は詐欺容疑で逮捕し、事件の全容解明を進める方針です。
山崎容疑者が先ほど到着した首都ジャカルタ郊外の空港から中継です。
首都ジャカルタ郊外にあるスカルノ・ハッタ国際空港です。山崎容疑者を乗せた飛行機は1時間ほど前に、こちらに到着しました。
私も同じ飛行機に乗っていましたが、山崎容疑者は帽子を深く被り、マスクを着けていて、上着はパーカーで下はチノパンとラフな格好で機内に乗り込みました。
最初は自身の席が分からず、捜査官に席はどこですか?などと尋ねる場面もありました。
およそ1時間40分のフライト中は、山崎容疑者は目を閉じて、腕を組んだ状態で窓側にもたれ掛かっていました。途中、こちらが呼びかけると一瞬反応しましたが、何も答えませんでした。時折、周囲を見渡したり、手足を動かしたりして、落ち着かないような様子もみられました。
ついさきほど、こちらの空港には愛知県警の捜査員らが到着したとの情報が入りました。詐欺の疑いで逮捕状を取っている愛知県警はこのあと山崎容疑者の身柄を引き受け、今夜の便で日本に移送する予定です。

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