大阪市役所の玄関前に設置されている大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」の像が何者かにより傷つけられた。大阪府と大阪市でつくる万博推進局が13日、明らかにした。万博推進局からの被害届を受け、大阪府警が器物損壊事件として捜査中だ。
像は高さ約2・5m、重さ約1トンの強化プラスチック製で約623万円の予算で制作・設置された。市役所の警備員が12日午後11時ごろに巡回した際には異常はなかったが、13日午前6時ごろに像の顔部分に3か所ほどの傷を見つけたという。
万博推進局の担当者は「12時までに市販のテープによる応急処置は完了した。現在、制作した業者に修理費用を確認中」とした上で、「犯人に修理費用を請求する可能性はある」とした。
いまだ犯人は捕まっていないが、大阪市民の間ではさまざまな臆測が広がっている。代表的なのが、大阪・関西万博に反対するために犯行に及んだという説だ。予算が膨らみ続けていることから反対派は日に日に増えている。
大阪市内の70代男性は「万博に反対している人の嫌がらせではないか。ニュースになれば嫌われていることを知らしめてやれると思ったのかもしれないが、こういったことで示すのはよくない」。別の男性も「万博に反対している人が、万博の金額が上がってきたことでイライラしてやったのでは。ゆがんだ正義感の表れかも」と話した。
一方、市役所のそばをよく散歩するという男性は、全く違う説を唱えた。「ここは中之島公園に面しており、酔った学生がウロウロしている場所なので、ふざけて壊したのではないか」と推測した。
傷ついた像の前で、子供と一緒に記念撮影をしていた20代男性は「今回が初めての万博なんです。子供もいてるんで楽しみにしてる。みんなが楽しみにしているシンボルじゃないですか。不満があったとしても、もっと違うやり方があるのではないか」と眉をひそめていた。