頂き女子りりちゃんが語った「頂き行為」…「ホストのために頑張ることが正義だと思っていた」

「担当(ホスト)のために頑張ることが正義だと思っていた」――。名古屋地裁で15日に行われた「頂き女子りりちゃん」こと渡辺真衣被告(25)の公判で、懲役13年、罰金1200万円を求刑された渡辺被告は詐欺をするに至った経緯を赤裸々に語った。
黒の短髪に、白っぽい縁の眼鏡姿で出廷した渡辺被告。被告人質問は2時間超に及んだ。
渡辺被告は、幼少期から家族との折り合いが悪く、学校でもいじめられて「居場所がどこにもなかった」と話し、20歳の頃、新しく働き始めた職場にもなじめず、居場所を求めてホストクラブに通うようになったと説明した。
最初は風俗店勤務で得た月100万円ほどの収入を充てていたが、連日ホストクラブに通うと足りなくなり、男性から金をだまし取る「頂き行為」を始めたと明かした。罪悪感を消すために精神安定剤を過剰摂取し、「何も考えないように」してから、男性と会ったり、LINEでやりとりを重ねたりしていたという。
ツイッター(現X)で「りりちゃん」と名乗り、金をだまし取った「成果」を報告すると、フォロワーから「どうやったらそんなにお金がもらえるのか教えてほしい」という反応が多く寄せられるようになった。
親しくしていたホストから「だます方法をまとめて販売したら」と勧められ、マニュアルとしてインターネット上で売り出すと、100人以上が購入したという。
フォロワーは最終的に5万人を超え、マニュアルも飛ぶように売れた。フォロワーや購入者に対しては、「担当のために、女の子みんな頑張ろうねって。稼ぐのがどれだけ苦しくても担当のためだから、と励まし続けていた。それが正義だと思い込んでいた」と振り返った。
「ホストにたくさん貢ぐ最終的な目標はどこにあるのか」。検察官から問われた渡辺被告は、少し考えた後、淡々と語った。「担当に喜んでもらって、私のことを『良い子だな』って思ってほしいだけ。そのために、先月よりもっと稼がなきゃ、貢がなきゃって」
逮捕された時、所持金が約1万円だったという渡辺被告。「被害者には本当に申し訳ない。お金を全部返せと言われたら無理だけど、償いを考えたい」。判決は来月22日、言い渡される。

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