フィリピン警察はルソン島ケソン州タヤバスで15日、日本国籍の女性モテギ・マイさん(26)とフィリピン国籍の母ロリー・リタダさん(54)の2遺体を警官が発見し、刑事事件で捜査を開始したと発表した。2人の親戚の家のそばに掘られた穴に埋められていた。
モテギさんは日本で客室乗務員として働き、2人とも日本に住んでいた。フィリピンに一時滞在していたという。
地元紙によると、モテギさんのおばが3月9日、「2人が2月21日から行方不明になっている」と通報。別の親族夫婦は「2人をバス停まで送った。マニラに行くと言っていた」と話している。母と娘が最後に目撃されたのはリタダさんの姉リガヤ・オリビア・パジュラスさんの家だったため、警察は親族の家を立ち入り検査した。今月14日に警察官が異臭を感じ、ある親族の家から1m離れた場所を掘り起こして遺体を発見。現在、遺体を解剖し死因を調べているという。
容疑者は親戚2人。警察が逮捕し調べている。タヤバス警察署長のボナ・オブメルガ中佐は「殺人の動機はお金。母娘がいつ、なぜフィリピンに入国したのかは明らかにできない」とコメントしている。
フィリピン事情通は「フィリピンの一部では、日本など海外で稼いでる人に親族がたかるという状況がまだ残っています。親族とカネでもめたのかもしれません。金づるにしている親族が殺すとは思えませんから、おこぼれにあずかれなかった親族が逆上したというパターンが考えられます。日本で働いているというだけでカネを持ってると思い込んで、たかりに来たのかもしれません」と指摘する。