旧統一教会の勝訴見直しか 献金巡る損賠訴訟、最高裁が弁論期日指定

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の信者から違法な勧誘を受けて献金被害に遭ったとして、元信者の女性の遺族が教団側に約6500万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(堺徹裁判長)は18日、弁論期日を6月10日に指定した。弁論は2審を見直す際に必要な手続きのため、訴えを不適法として却下し、教団側を勝訴とした2審判決を見直す可能性がある。
教団側の勧誘行為の違法性について、最高裁が弁論を開くのは初めて。判断内容によっては同種訴訟に影響を与える可能性がある。
1、2審判決によると、長野県に住んでいた女性(既に死亡)は2005~10年ごろ、信者の勧誘を受けて計約1億円などを教団側に献金した。15年11月に「返金や損害賠償を求める民事裁判を一切起こさない」とする念書を教団側と結んだが、女性は念書作成から約半年後に認知症と診断された。
女性は17年3月に長女とともに「違法な勧誘があった」「念書は無効」などとして東京地裁に提訴した。
1審・東京地裁判決(21年5月)は、女性が積極的に教団の活動に参加していたと認定。念書作成時は正常な判断能力があったとし、「念書は公序良俗に反する」とする遺族側の主張を退けた。
2審・東京高裁判決(22年7月)も1審を支持し、遺族側の控訴を棄却していた。【島田信幸】

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする