プーチン大統領5選に「期待の声」“絵に描いた餅”か“未来志向”か 専門家「心ある人とのパイプ」必要

ロシア大統領選挙はプーチン大統領が5回目の当選を確実にしましたが、北海道では北方領土問題の進展に期待する声もあります。5期目を迎えるプーチン政権。
任期は2030年までの6年間です。そのプーチン大統領は「島の観光業を開発する必要がある。とても興味深い場所だと聞いている。残念ながらまだ行ったことはないが、必ず訪れる」と北方領土訪問に意欲を見せたプーチン大統領。観光開発を進める考えも明らかにし、領土問題について日本をけん制した形です。
それでも、元島民からはプーチン政権の継続を歓迎する声が。
歯舞群島勇留島出身角鹿泰司さん)
「交渉を続ける上ではプーチンは領土問題をよく知ってるんですよ。とりあえずずっと膠着状態を続けているよりも何か声をかけてほしい」。
元島民の平均年齢は88歳を超えています。
1日も早くもう1度、故郷の地を踏みたいと願い続けています。
歯舞群島勇留島出身角鹿泰司さん)
「とにかく島に渡ること、それが墓参である。これから先に取りかかってほしい」。
選管の発表では、得票率87%と「圧勝」したプーチン大統領。北方領土を含む地域では90%を超えました。
この人も、プーチン大統領だからこそ北方領土問題を解決できると考えています。
鈴木宗男参議院議員)
「鈴木はロシア寄りだ、プーチンのポチだと揶揄されたがそうじゃない。私はプーチンさんが大統領でなければこの平和条約交渉、北方領土問題の解決はできないと思っています」
去年10月、モスクワを電撃訪問し政府高官と相次ぎ会談した鈴木宗男参議院議員。
今後は日本政府の対応がカギになると言います。
鈴木宗男参議院議員)
「さらなる制裁だとか日本が余計なことをしない限りかつての安倍総理とプーチン大統領のような未来志向の信頼関係を構築できると思っています」
しかし、ウクライナ情勢をめぐり日本が経済制裁を続ける中、専門家は北方領土問題の進展に厳しい見方をしています。
北海道大学・岩下明裕教授)
「日本とロシアの関係はほぼ公式には断絶状態。交渉などもできる状態ではない。
新しくプーチンが任期を変わったとしてもそれ自体で何か変わることは全くない」
停滞する経済交流はどうなっていくのか。かつては北海道銀行がロシア極東で農業支援を行うなど、道内からビジネスチャンスを模索する動きもありました。
ロシアの隣の北海道から、停戦後を見据えた動きも必要だと指摘します。
北海道大学・岩下明裕教授)
「ずっと非友好国の関係は続くが、停戦になったらローカルな部分では付き合えるようになると思いますからそういう機会を考えないといけないと思う。ロシアの心ある人たちとのパイプをどうつなぐかということでしょう」

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする