東京五輪談合、博報堂に罰金2億円求刑 企業側へは初 東京地裁

東京オリンピック・パラリンピックを巡る談合事件で、独占禁止法違反(不当な取引制限)に問われた広告大手「博報堂」(東京都港区)に対し、検察側は18日、東京地裁の公判で罰金2億円を求刑した。一連の事件で企業側への求刑は初めて。同じく独禁法違反に問われたグループ会社「博報堂DYスポーツマーケティング」(同)前社長の横溝健一郎被告(56)は懲役1年6月が相当とした。判決期日は後日指定される。
検察側は論告で、横溝前社長ら各社の担当者は、組織委員会元次長=独禁法違反で有罪確定=と結託して総額約437億円に上る契約で談合したと言及。公正で自由な競争による選定を骨抜きにし、人々が五輪に抱いていた公正さへの信頼を損ねたと述べた。博報堂は談合対象の二つの会場を受注して約45億円を売り上げ、約7億8700万円の利益を得たことも指摘した。
これに対して弁護側は最終弁論で、横溝前社長が組織委元次長と面談し、受注希望の会場を伝えたことは認めるとした。一方で、元次長が各社と受注調整をしているとは知らず、落札を事前に合意した認識はないと主張した。横溝前社長の行為が独禁法違反に当たるかは慎重に判断してほしいと裁判所に求めた。
横溝前社長は最終意見陳述で「関係者に迷惑をかけた。行動に反省すべき点があった」と謝罪しつつ、検察に供述調書の訂正を求めても応じてもらえなかったと訴えて「意図的な捜査だった」と不満を漏らした。【斎藤文太郎】

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