二階氏不出馬表明会見で「バカヤロウ」不出馬の理由に裏金事件への「政治責任」挙げるも側近が回答する場面も多く…【news23】

25日、次の衆議院選挙への不出馬を明らかにした、自民党・二階俊博元幹事長。会見では、不出馬の理由に裏金事件への「政治責任」を挙げましたが、なぜこのタイミングなのでしょうか。
「政治責任を明らかにするため」不出馬表明の二階氏(85)
Q.次期衆院選の不出馬を決めたのは、政治資金パーティー問題の責任をとったと考えていいか、それとも二階氏の年齢の問題か?
自民党二階俊博元幹事長(3月25日午前10時半すぎ)「年齢の制限があるか?」
Q.年齢制限はないが、年齢を考えたということか?
二階氏の側近林幹雄議員「そんなことないです」
自民党二階俊博元幹事長

「お前もその歳くるんだよ。バカヤロウ」
次の衆議院選挙への不出馬を明らかにした自民党の二階元幹事長(85)。
自民党二階俊博元幹事長「政治の原点は故郷にありと常に申しているが、私はその考えをもとに政治の道を歩んでまいりました」
1939年、和歌山県で生まれた二階氏。和歌山県議などを経て、1983年の衆議院選挙で初当選しました。
二階俊博氏(1992年当時53歳)「和歌山県の人も国民なんですよ」
2016年には自民党幹事長に就任。在任期間は5年以上で、歴代最長です。
自民党二階俊博元幹事長「すでに派閥(二階派)の元会計責任者と私の秘書が刑事処分を受けていますが、その政治責任はすべて私、監督責任者である私自身の責任にあることは当然」
不出馬は、裏金事件をめぐり「政治責任を明らかにするため」とし、残りの任期はまっとうするといいます。
ただ、自民党の調査によると二階氏のパーティー券収入の不記載額は、最多の3526万円。
野党からは、安倍派の幹部らや、二階派の武田事務総長と同じく、政治倫理審査会での弁明を求める声があがっていました。
側近の林氏が代わりに答える場面も
Q.(政倫審に)出席する考えはあるか?
二階派林幹雄衆院議員(1608万円の不記載)「出席は自分の判断でしてますので、出席する必要がないと判断した上で出席しませんでした」
11分ほどの短い会見。二階氏への質問に、側近の林氏が代わりに答える場面も目立ちました。
Q.総理への連絡方法は?
二階氏の側近林幹雄議員「電話です」
Q.現時点で離党の考えは?
二階氏の側近林幹雄議員「ありません」
Q.政治とカネの問題で不出馬、どう考えているか?
二階氏の側近林幹雄議員「先ほど申し上げた通りでしょうよ。読んだ通りですよ」
Q.改めて、どう思ったか?
二階氏の側近林幹雄議員「同じことです。政治的責任を感じてるからって言ってますからね」
「自らが決めたことです」処分検討は影響ないと主張
年末から続く裏金事件。なぜ今になって責任の取り方を明らかにしたのでしょうか。
Q.自民党執行部が二階氏含め処分を検討していたことが、出馬しない判断に影響したか?
自民党二階俊博元幹事長「影響ありません。自らが決めたことです」
党内からは…
自民党安倍派議員「先にけじめをつけることで処分を免れようとする、まさに老獪な手法だね」
3500万のキックバックと5年間で50億の政策活動費説明どうなる?
小川彩佳キャスター:会見では記者にすごむ姿もありました。二階元幹事長の不出馬を、真山さんはどうご覧になりましたか。
小説家真山仁さん:良くも悪くもですけど、おそらく最後の昭和の政治家っぽい印象がありますよね。
そういう意味では、割と平成・令和のパフォーマンス大事や、何となく空気を読む人とは違う。よく言えば胆力があるのか、決めたら前に進むというところはあると思うんですね。
ただやはり残念なのは、だからこそ最後にもう少ししっかりと自分でいろいろおっしゃっていただくべきなんでしょうけれど、人に辞めさせられるなら自分でやめるというところは、いかにも二階さんらしい。
これで幕引きができたらいいくらいは思ってるんだと思いますが、ただ、今は昭和じゃないので、それはできないと思います。
小川キャスター:まだ次の選挙までどのくらい時間があるかわからないですが、その間は議員でいらっしゃるわけですよね。この間に、二階さんは何をするのか、どんな動きに出るのか気がかりですね。
また、発表のタイミングは、どう捉えればいいんでしょうか。
TBSスペシャルコメンテーター星浩さん:26日と27日に安倍派幹部の4人に対し、岸田総理自身が事情聴取をして処分を決めるという段取りになっています。なので、二階さんはその前に不出馬を表明して、処分を逃れようということで、そこはうまく逃れようとしているんでしょうね。
それから、実は二階さんは日中友好議員連盟というところの会長をやっていて、2024年5月に経済界の人たちも連れて中国に行こうという計画があります。処分されてから中国行くわけにもいくまいということのようです。
ただ、これによって3500万のキックバック、それから5年間の幹事長時代の50億と言われる政策活動費をどういうふうに使われたのかについて、聞くタイミングがなかなかなくなってしまう。
二階さんは「任期中は議員を務める」と言っているので、ぜひ二つの問題については、二階さんの口からはっきりと説明してもらいたいと思います。
キックバック“継続方針”会合メンバーは重い処分か
喜入友浩キャスター:そして裏金問題の処分について、いつ誰がどのように責任を取るのか、岸田総理は自ら、今週聞き取り調査を行うことを25日表明しました。
その上で安倍派幹部らの処分を決めるということですけれども、この件について星さんの取材が進んでいるようですね。
TBSスペシャルコメンテーター星浩さん:
〈処分の重さ〉・除名・離党勧告・党員資格停止・選挙の非公認・国会・政府の役職の辞任勧告・党の役職停止・戒告・党則遵守の勧告※上から重い順
25日から、4人の幹部(塩谷氏、下村氏、世耕氏、西村氏)の事情聴取に岸田さん本人が乗り出すということなんです。実はこの人たちは、2022年8月の会合で「キックバックを一旦やめよう」というのを「続けよう」と決めた会議のメンバーなので、非常に責任が重いという判断ですね。「党員資格停止」や「選挙の非公認」という厳しい処分になる可能性があるみたいです。
一方で、5人衆と言われた安倍派の幹部(萩生田氏、松野氏、高木氏)は、「党の役職停止」くらいなのかなということを今、岸田さん、茂木幹事長が検討しているラインのようです。
ただ、いずれもこれは永田町の論理なんですね。永田町の中では“何となく厳しい処分”なんですけど、世間から見ると、そんなもので済まないだろう、というのが受け止め方なので、そのギャップが非常に大きいんですよね。
そこを岸田さんがどういうふうに埋めるか、説明するかということに関わってくると思います。
岸田総理が“裏金の経緯”を森元総理に直接聞き取り検討か
小川キャスター:そして、まだ何も語っていないキーパーソンと言われている森喜朗・元総理大臣がどう動くかですよね。
TBSスペシャルコメンテーター星浩さん:森喜朗さんですが、表ではしっかりと説明されて議員を辞めてるということもありますけど、20年前の当時の安倍派の会長を務め、そのころから始まったとされる裏金の経緯を全部知ってる方です。
今は施設に入られて生活されてるんですけど、岸田さんが森さんに直接「こういう経緯だった」という話を聞いて、岸田さんが記者会見で明らかにするという計画が進んでいます。
そういう点では、二階さんの今回の不出馬表明、議員の人たちの処分、森さんとの会談ということでひと区切りがつくと、岸田さんは考えているんでしょうね。

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