小林製薬の「紅こうじ」を使ったサプリメントによる健康被害問題で、同社が問題を公表する以前に、体調不良となった利用者が医師の診断や自己判断で摂取を中止したところ、回復した事例が複数あることが7日、各自治体や日本腎臓学会への取材で分かった。摂取をやめたため重篤化せず入院に至らなかったとみられるケースもあった。
健康被害の原因の詳細はまだ調査中とされているが、早期の情報開示がされれば被害を抑えられた可能性もある。小林製薬が健康被害を認知してから公表までに要した約2カ月の間にも、摂取を続けた利用者がいるとみられ、対応遅れの問題が改めて問われそうだ。
3月下旬に行った各自治体への取材では、同社の「紅麹コレステヘルプ」に関し、「40代女性が昨年8月から服用、12月に頭痛や倦怠感があり、今年2月に服用をやめたら自然治癒した」(石川県)。「1人が、1カ月ほど服用したところ倦怠感などの症状が出た。やめたところ回復し、入院などには至らなかった」(三重県)という報告があった。