能登半島地震の土砂崩れで寸断された半島北部沿岸の国道249号について、国土交通省能登復興事務所は9日、石川県輪島市の一部区間で、隆起してできた海岸に道路を新設すると発表した。地震による地形変化を利用する珍しい試みで、5月の大型連休の開通を目指す。
場所は輪島市野田町の土砂崩れ現場付近で、近くに国名勝の棚田「 白米 千枚田」がある。現場近くでは隆起によって海まで新たに幅100メートル以上の陸地ができたため、同事務所は、土砂を撤去して復旧するより、 迂回 した方が効率的と判断した。
復旧工事は800メートルの区間で進め、うち430メートル分を隆起した部分に造る。片側1車線の道路を整備し、元の道路とつなぐ計画。開通後しばらくは、緊急車両や地元住民の通行のみとする予定だ。
国道249号は能登半島の主要道路で、輪島市と 珠洲 市を結ぶ区間は今回の場所以外にも複数の場所で大規模な崩落が発生しており、国交省が、通行止めの解消に向けて復旧工事を進めている。