「日本は米国の最も親しいトモダチ」…岸田首相、米議会の上下両院合同会議で30分以上演説

【ワシントン=森藤千恵】岸田首相は11日午前(日本時間12日未明)、米議会の上下両院合同会議で演説した。首相は、「米国の最も親しい『トモダチ』として日本国民は米国と共にある」と表明し、米国に国際秩序の維持に関与し続けるよう求め、日本も責任を担う考えを示した。
演説は「未来に向けて~我々のグローバル・パートナーシップ」と題し、英語で30分以上にわたり行われた。日本の首相による米議会での演説は5人目。上下両院合同会議では2015年の安倍晋三元首相以来、2人目となる。
首相はこれまでの米国の役割を「戦後の国際秩序を形づくり、各国の安定と繁栄を促した」と評価。「世界は、米国が引き続き、国際問題で中心的な役割を果たし続けることを必要としている」と指摘した。
現在の国際情勢は「新たな挑戦に直面している」とし、中国について「対外的な姿勢や軍事動向は、国際社会全体の平和と安定にとっても、これまでにない最大の戦略的な挑戦をもたらしている」と言及した。
自身の地元が被爆地・広島であることに触れ、東アジアで核兵器拡散の危険があることや、北朝鮮による核・ミサイル開発の脅威を訴えた。「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」と語り、日米間の緊密な連携も求めた。
日本は「第2次世界大戦の荒廃から立ち直った控えめな同盟国」から「強く、コミット(関与)した同盟国へと自らを変革してきた」と強調。自身が先頭に立って防衛費増額などに取り組んできたことを紹介し、「日米同盟の抑止力は、かつてなく強力だ。米国の日本への拡大抑止によって強化されている」と述べた。
韓国や豪州、インド、フィリピンとの協力や、先進7か国(G7)、東南アジア諸国連合(ASEAN)などの枠組みも挙げ、「自由で開かれたインド太平洋」の実現を目指す決意を示した。
日米の関係を「トモダチ」と表現したり、日本が最大の対米直接投資国で、米国内で約100万人の雇用を創出していることを指摘したりした際など、演説中には十数回のスタンディングオベーション(総立ちでの拍手)があった。

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