パーティー券公開基準引き下げ、自民が容認へ…補選惨敗受け「改革に消極的とみられるのは避けるべき」

自民党は政治資金規正法改正を巡り、現在「20万円超」となっている政治資金パーティー券購入者の公開基準の引き下げを容認する方向で調整に入った。国会議員に対して歳費とは別に月額100万円支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開も検討する。衆院3補欠選挙の惨敗を受け、信頼回復に向けて、政治資金の透明化を進める必要があると判断した。複数の自民関係者が1日、明らかにした。
旧文通費使途公開も

パーティー券の公開基準を巡っては、公明が現行の購入額「20万円超」から「5万円超」に引き下げるよう求めているのに対し、自民は「検討項目」とするにとどめ、方向性を示していなかった。公開基準を引き下げることで、名前の公表を嫌がる企業・団体や個人が購入を控え、資金集めが苦しくなるとの懸念が党内で根強いためだ。
ただ、自民以外の各党が政治資金規正法改正に向けて、パーティー券購入者の公開基準の引き下げやパーティー開催の全面禁止を打ち出す中、自民だけが政治改革に消極的だとみられるような対応は避けるべきだとの判断に傾いた。
自民、公明両党は連休明けに与党協議を再開し、規正法改正の与党案取りまとめを目指しており、引き下げ幅などが焦点になる。公明は、政党が所属議員に支給する政策活動費(政活費)の使途公開も訴えており、自民内には、政活費についても公明案に歩み寄るべきだとする意見がある。
旧文通費を巡っては、自民は元々、自由な政治活動に支障が出るとして使途公開に慎重な立場で、各党との議論が停滞していた。だが、政治不信の高まりを受けて重い腰を上げざるを得なくなり、岸田首相(自民総裁)が4月22日の衆院予算委員会で、「(党に)議論再開を指示した」と表明していた。
自民は国会法や歳費法の改正を念頭に、各党との議論を進める考えだ。公開対象とする使途の項目が焦点となる。

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