相模原市は、ごみの焼却炉から金や銀などの貴金属を回収する取り組みを行っている南清掃工場(同市南区)で2023年度、新たに約631キロを回収したと発表した。精錬などに必要なコストを差し引いた売却額は総額約2760万円に上る見込みで、同工場の維持管理費などに充てる。
市によると、内訳は金約6.9キロ、銀約12.4キロ、銅約612キロ、パラジウム約0.2キロ。金銀は21、22年度にも回収したが、銅とパラジウムは初めて。パラジウムはレアメタル(希少金属)の一つで、自動車の排ガスから有害物質を除去する触媒や電子基板に使われている。
同工場では、市と焼却炉メーカー「神鋼環境ソリューション」(神戸市)が共同で貴金属の回収に取り組んでいる。休炉時に炉の底から採取した砂の中から回収する方法に加えて今回は、焼却灰の成分から「溶融スラグ」(道路用資材などに使用)を生成する過程でも回収できたという。
市は今後も取り組みを続ける一方で、「市民の皆さまがごみを分別することでより効率的な資源の回収が可能となる」と協力を呼びかけている。