大阪市クジラ処理費増幅問題 業者要求に応じた引き上げや飲食を批判 入札等監視委

昨年1月に大阪市内の淀川河口で死んだマッコウクジラの死骸の処理費用が、市の見積もりから2倍以上にふくれあがった問題で、市入札等監視委員会は7日、市の対応について6項目にわたる問題行為を認定した。市側が処理を委託した業者の意向に沿う形で処理費を引き上げた経緯を批判し、積算根拠や契約金額に疑義を呈した。
市は今後、外部監察専門委員の弁護士らによる調査チームを立ち上げ、改めて検証を行う。
市から処理費についての調査報告を受けた市入札監視委の意見では、大阪港湾局の職員が死骸処理を委託した市内の海運会社に日本酒を提供したほか、担当外の経営改革課長(当時)が同社の関係者と飲食したことについて、「市民の疑惑や不信を招くような行為」「看過できない重大な問題」と批判した。
また、市側と同社の処理費を巡る交渉に参加した経営改革課長の対応について「契約相手側に立って、委託事業者が合意できる金額に近づけるための議論に終始していると受け止められても仕方ない」などと強調。処理費についても「積算根拠や契約金額には疑義が残る」と指摘した。
市の調査結果によると、大阪港湾局は元職員が在籍する同社にクジラの死骸処理を委託。処理後、元職員から処理費用として8625万円の見積書を受領した。市側は昨年3月初めに処理費を3774万円と試算したが、担当外の経営改革課長が港湾局長らに、業者側の要求額に近付けるよう進言。市は3月末に試算額を引き上げ、8019万円で同社と契約した。
クジラは昨年1月9日に大阪市内の淀川河口付近で見つかり、13日に死んでいることが確認された。悪臭や死骸のガス爆発の恐れから処理を急ぎ、市は同社に随意契約で処理を業務委託。同社は19日、クジラを乗せたバージ船(はしけ船)を別の船でひいて紀伊水道沖に運び、重りを付けて海に沈めた。

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