安定的な皇位継承巡る与野党協議、会期中の合意は困難に…自民・立民の主張の隔たり埋まらず

安定的な皇位継承に関する与野党協議を巡り、衆参両院の正副議長は14日、衆院議長公邸で立憲民主党などから個別に意見聴取した。立民はさらなる議論を求め、自民党などとの主張の隔たりも埋まらなかった。23日までの今国会会期中の与野党合意は困難な見通しで、国会閉会後の協議継続を求める声も出ている。
衆参両院はこれまで2回の与野党協議を開き、喫緊の課題である皇族数の確保策を優先的に議論する方針でおおむね一致。具体策の〈1〉女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持〈2〉旧宮家の男系男子が養子縁組で皇族に復帰――の2案について、議長らが各党・会派の意見を個別に聞いて合意形成を目指すこととなり、この日が初の意見聴取となった。
立民は〈1〉について、女性皇族が結婚後も皇室に残る必要性に賛同した上で、結婚相手の夫と子どもにも皇族の身分を認める案を検討すべきだと改めて主張。〈2〉の養子案とともに、「中身に関する議論をしっかりすべきだ」と指摘した。
出席した立民の野田佳彦・元首相は意見聴取後、記者団に「早く結論を出さないといけないという思いは持っている」とする一方、今国会での合意は困難だとの考えを強調した。
この日は日本維新の会の意見聴取も行われた。出席した藤田幹事長らは、国会閉会後も議論を続けて合意を目指すべきだと訴えた。
岸田首相(自民党総裁)は3月の党大会で、支持層の保守派を念頭に、皇室に関する議論を加速する方針を打ち出していた。衆参両院では、早期の取りまとめに意欲を見せる額賀衆院議長と、熟議を求める尾辻参院議長の間に温度差があるとされる。
関係者の思惑に隔たりも大きく、合意形成に向けて国会閉会後も引き続き議論を進められるかどうかは不透明だ。

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