「自治体単独でできるという保証はない…」全国は3割超も新潟では4市町村のみ 学校給食無償化が進まない理由

全国3割の市町村が学校給食の完全無償化に踏み切る中、新潟は1割に留まっています。新潟市や長岡市でも要望が出されていますが、「市単独では難しい」としています。なぜ新潟では進まないのでしょうか。
妙高市の新井中央小学校です。七夕を前にしたこの日の給食は、ご飯と牛乳お星さまをかたどった「星のハンバーグ」寒天と、星型ニンジンが入った「きらきら星サラダ」。そして、そうめんで天の川をイメージした「七夕汁」と七夕を前にテンションが上がる給食です。
児童「この“星のハンバーグ”がとてもおいしかった!」「前に3日連続でピーマンが出て、1回目は残しちゃって、2回目と3回目は残さず食べた」
妙高市の場合、小学校の材料費は1食平均300円。月に5290円を給食費としていますが、昨年度(2023年度)から3歳以上の園児、小学生・中学生の給食費を無償化にしています。
妙高市教育委員会 こども教育課 寺島京子 係長「妙高市は3歳以上から無償化を実施していて、今年度は年間約1億8000万円を負担している。子どもを地域全体で支えようという思いで始めた」
妙高市のように、学校給食を完全無償化にしているのは、新潟県内30市町村のうち、阿賀町・湯沢町・弥彦村と4つの市町村にとどまっています。全国では30%を超える自治体が学校給食を完全無償化にしていて、全国と新潟との格差が際立っているのです。
「長岡の小中学校・特別支援学校の学校給食を無償化にしてください」
4日には長岡市で市民団体が給食の無償化を求めて、1万筆の署名を提出。新潟市でも、「新潟市の子どもたちの給食を無償にしてほしい」と4月に市民グループが1万を超える署名を提出しました。
要望に対して長岡市、そして新潟市は…
長岡市 磯田達伸市長「国・県・市で力を合わせて無償化の方向にできるだけ早く持っていくのが義務教育としての方向性だろうと思っています」
新潟市 夏目久義教育長「財源のないままで、これだけのまとまった金額の事業を、新潟市単独あるいはほかの自治体単独でできるという保証はないので…」
市単独では難しく、県や国がサポートすべきとしています。
県の姿勢に対しては、開会中の県議会でも議論となりました。
自民党 笠原義宗 県議「他県では広域自治体として県が取り組みを始めたところもありますが、限られる財源の中で本県は実現に至っていません」
花角英世 知事「今後引き続き、国の動向を注視していくとともに、知事会なども含め、様々な機会で国に対して働きかけてまいります」
市町村、県、国へとたらい回しにされているような給食無償化問題。なお青森県では今年10月から、県の予算で全小中学校の給食無償化を実施するということです。

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