堀井学衆院議員(自民党を離党、比例北海道)が、選挙区内で違法に香典を配布したとされる事件で、堀井氏の元秘書が「自民派閥の政治資金パーティー券を巡る裏金が原資だった」と周囲に説明していることが関係者への取材で判明した。東京地検特捜部が裏付けを進めるとともに、事務所内の資金移動の実態を捜査している。
関係者によると、堀井氏は2022年ごろ、自身の選挙区である北海道9区内の複数の有権者に対して、自身の名を記した香典などを秘書らに持参させた疑いを持たれている。公選法は議員本人が葬儀に参列した場合を除き、選挙区内で香典を渡すことを禁じており、特捜部は18日に堀井氏の関係先を家宅捜索した。
堀井氏は、自民派閥の政治資金パーティー裏金事件で、所属する清和政策研究会(安倍派)から18~22年に受け取ったパーティー券収入のノルマ超過分2196万円を裏金化し、政治資金収支報告書に記載していなかったとされる。
関係者によると、堀井氏の裏金は北海道登別市の地元事務所で管理されていた。堀井氏はこうした裏金の一部を秘書らに香典として配るよう指示していた疑いがあるという。堀井氏はこれまでの記者会見で、不記載とされた資金を「事務所の維持費や支援者らとの交際費などに使った」と説明していた。
堀井氏の不記載に対しては、大学教授が政治資金規正法違反容疑で刑事告発しており、特捜部は公選法違反容疑と並行して捜査を進めているとみられる。
堀井氏は香典の違法配布の疑いで家宅捜索を受けて自民党を離党。6月に次期衆院選への不出馬を表明しているが、任期途中での議員辞職はしない意向を周囲に示しているという。【安元久美子、北村秀徳、岩本桜、山田豊】