堀井学議員「秘書に違法な香典配布を指示した」 慣習で続けたか

堀井学衆院議員(自民党を離党、比例北海道)が選挙区内で違法に香典を配布したとされる事件で、堀井氏が東京地検特捜部の任意聴取に対し、「慣例として秘書に違法な香典配布を指示していた」という趣旨の供述をしていたことが判明した。特捜部は、堀井氏本人の立件も視野に捜査を進めている。
公職選挙法は議員本人が葬儀に参列した場合を除き、選挙区内での香典の供与を禁じている。違反すれば50万円以下の罰金で、選挙目的であればさらに重くなる。
関係者によると、堀井氏は2022年ごろ、自身の選挙区である北海道9区内の有権者に対して、自身の名を記した香典や枕花を秘書や親族に持参させた疑いが持たれている。堀井氏が無料通信アプリ「LINE(ライン)」で指示をしていた証拠が残っていたほか、堀井氏側は香典を渡した際に領収書を受け取り、事務所で保管していたという。違法寄付の総額は数十万円に上るとみられる。
こうした寄付は事務所内で「慣習」として以前から続いていたとされるが、公訴時効は3年で、特捜部は22年ごろの香典配布を集中的に捜査している模様だ。
特捜部は18日に堀井氏側への強制捜査に乗り出し、パソコンやICレコーダーを押収。香典を受け取ったとされる有権者側から事情を聴くとともに、香典帳の提出を受け、堀井氏本人が参列していなかったことの裏付けを進めている。
堀井氏は、自民派閥の政治資金パーティー裏金事件で、所属する清和政策研究会(安倍派)から18~22年に受け取ったパーティー券収入のノルマ超過分2196万円を政治資金収支報告書に記載していなかったとされ、政治資金規正法違反容疑でも告発されている。【安元久美子、北村秀徳、岩本桜、山田豊】

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