【SNSで人気沸騰】女性総理候補“影の本命”に躍り出た小野田紀美・参院議員の実像 公明の推薦受けずに当選し保守系の自民支持者から喝采

9月の自民党総裁選に向けて、「ポスト岸田」候補たちが動き出そうとしているなか、新世代の「保守のマドンナ」としてSNSでの人気が急騰しているのが小野田紀美・参院外交防衛委員長(41)だ。
YouTubeでは支持者による「小野田紀美絶対応援ch」が立ち上がり、本人の発言や外交防衛委員長として議事進行する動画がアップされて総再生数は930万回を超える。応援chでつけられた彼女のキャッチフレーズは、「日本政界に舞い降りた国士」だ。共感を呼んでいるのは彼女の率直な意見のようだ。
最近では都知事選で石丸伸二氏が健闘したことで、自民党でも若手待望論が起き、小林鷹之・前経済安保相らの名前が総裁候補に挙がっているとの報道に、小野田氏がX(旧ツイッター)で、〈年齢とかじゃなく「日本のためになる人」で考えて話そうよ…〉(7月10日)と書き込むと、
「小野田議員は、女性初の首相になってほしい」 「若手待望論なら真っ先に小野田紀美議員が出てこないとおかしい!」
といった返信が続々と書き込まれた。その様子はさながら“女性版・石丸現象”にも見える。
外国人によるパーティー券購入の禁止を主張する保守の論客に
どんな政治家なのか。
小野田氏は米国シカゴ生まれ。父は米国人、母は日本人で、1歳から岡山県で育った。
地元の高校卒業後、拓殖大学政治学科を経て塾講師やモデルを務め、ゲーム会社に就職。TOKYO自民党政経塾の塾生となり、東京・北区の区議に当選。2016年の参院選で故郷の岡山選挙区から出馬し当選した。現在は参院2期目だ。
注目を集めたのは、その参院選での公明党との確執だった。小野田氏は公明側が求めた支持者名簿などの提出を拒否し、公明党の推薦を受けずに当選を果たして保守系の自民党支持者から喝采を浴びたのだ。
国政に出てからの小野田氏は強制送還に応じない不法滞在外国人の長期収容をなくすための法改正を訴え、政治資金規正法の改正にからんで外国人によるパーティー券購入の禁止を主張するなど保守の論客として鳴らしている。
TOKYO自民党政経塾の塾長を務める深谷隆司・元郵政相が語る。
「今の国会議員には愛国心が欠けている議員があまりにも多い。私は塾生に、『国のために命を捧げられるか自分に問うてみよ。その心がない者は政治家になるな』と説いたが、彼女は教えを守って愛国心を大切にしている政治家だとわかる」
また、小野田氏の区議時代を知る政治ジャーナリストの宮崎信行氏はこう言う。
「落下傘候補で北区には仲間もなく、街頭演説では自分でお立ち台を地面に置き、あの高身長でその上に立って右腕を掲げ、マイクなしで演説をする。通りすがる人と目が合えば、『よろしくお願いします』と声をかける。地道な地元活動を経てきた政治家です。自民党の岩盤支持層である保守層が自民離れを起こしているなか、真正保守色の強い彼女は期待されている。大化けする可能性もある」
ただ、現在参院議員の小野田氏は鞍替えしなければ総理への道は難しい。その彼女にネットの支持が集まるのは、裏を返せば女性総理候補とされてきた高市早苗・経済安保相や上川陽子・外相の言動が精彩を欠くことの裏返しでもあるのだろう。
※週刊ポスト2024年8月2日号

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